クリスマスまで、あさみのオススメをひとつずつ紹介する「あさみのアドベントカレンダー!」
3日めは、広島の人にこそ体験してほしい「ピースパークツアー @レストハウス」。
ピースパークツアーとは
7月にリニューアルオープンした、広島平和公園内のレストハウスを拠点にした、まだ新しい公園内のツアーです。
ツアーは約1時間かけて公園内の遺跡や慰霊碑を巡り、その後レストハウスで感想をシェアする時間があり、全部で約80分。
お一人様3000円です。
え、ちょっと待って。平和公園には、無料で案内してくれるボランティアガイドさんもいますよね?なのに有料なの?
有料のツアーがいったいどんな内容なのか、興味津々で参加してみました。ツアーガイドは、日本語堪能なメアリーさん。英語のガイドはもちろん、日本語ガイドもホント完璧!
実際に参加してみてすごく感じたのは、「その人の想像力をかき立てるように工夫されているな」ということ。
どんな想像力かというと、
- もし自分がその場に居たら?と想像してみたり
- 突然人生を奪われた人の気持ちを思ったり
- 今日自分にできることは何だろう?と考えたり
すること。
1時間の時間内にたくさんの慰霊碑を巡るのではなく、過去から未来へ、自然に心がトリップできるツアーになっている。
過去の平和公園は、中島地区という町だった
出発地のレストハウス周辺は、産業奨励館がすぐそばに見える、特に賑やかな地区だった。メアリさんが見せてくれるのは、福山工業高校が制作した被爆前の中島地区のCGや当時の写真。
当時の資料写真を見るにつけ、この一帯は決して昔から公園だったわけではなく、お店や民家、映画館などが立ち並ぶ繁華街だったことがわかる。町の喧騒がイメージになって湧き上がってくるようだ。
きっと、ここに住んでいた人たちもあの日、8時14分までは明日が来ると信じていたに違いない。
このツアーは全然急がせることがなく、参加者が立ち止まって考えたり、何かを感じたりする時間を大切にしている。
元安川を見下ろすベンチで、川のせせらぎや市内電車の音を、目を閉じて聞いた。こんな時間をもつこと、忘れていたな、と思い出す。
広島で生まれ育った人にもおすすめ
広島で生まれ育った私だけど、アメリカ人のメアリから、初めて教えてもらうことの多いこと。子供のころに詰め込まれた平和教育も、すっかり忘れていて、ずいぶん大人になってから国内外にたくさんの友達ができて、あらためて広島のことに自然に興味がわいてきた、というのが正直なところ。
知らないことに恥ずかしさもあるけど、素直に知れてよかったことばかり。私のように、広島に住んでいながら、実はよく知らない、今更聞けない、と思っている方にとってもおすすめ。
平和公園は美しい公園であり、平和の象徴、広島の観光地のひとつ、と思っていた私だけど、ある人から見ると、公園そのものが大きなお墓。その下には、今も中島地区がそのまま残っている。自転車や車が通るだけでも辛く感じる人もいるのだということ。おりにふれ、思い出したいと思った。
とうろう流しに見立てて思いを残す
最後に、ツアーの中で感じたことや、自分が一番大切に思うことを、川の流れに見立てたブルーと白の紙に書いて、レストハウス内の「希望の川」コーナーに貼る。ところどころにカラーの紙が貼られているのは、被爆者のことば。
7月に、レストハウスがリニューアルオープンした時は、まだほとんどまっさらだったこのコーナーも、張り紙がだいぶ増えている。
レストハウスは広島観光の拠点
今回のツアーは、平和公園内のツアーだったのだけど、もう一つ、レストハウスを拠点にした郊外自転車ツアー「Sokoiko! ピースツアー」もかなりおすすめ。
いまだからこそ、広島のことを知るチャンスだなと思う。