80人描くということ〜その2

「80人プロジェクト」が始動した。とはいえ、一つこちらから条件を出させていただいた。これは、今回のプロジェクトで一番大変な作業とも言える。これがきちんとできていないと、絶対にいいものが出来ない。この作業が終わって初めて、正式に受注しますと伝えた。

80人の写真集め

一人一人、数枚ずつ、顔がはっきり写っている写真を集めてもらう。これは、想像よりも大変な作業だ。

似顔絵師は、まったく面識のない人を写真だけを頼りに描くのだ。その写真からどれだけの情報を引き出すかがカギ。面長?丸顔?二重まぶたの形は?鼻の形は?これらの情報がはっきりと受け取れる写真は意外と少ない。

5人くらいの似顔絵でも、写真がなかなか集まらない、集めてもらった写真が似顔絵に向いてない、なんてことは似顔絵師あるあるである。ましてやこれが80人分!新郎新婦には、相当頑張ってもらわなくてはならない。

写真集めの方法

まずは、googleドライブに新郎新婦と私だけが見られる共有フォルダを作った。

そこにグループ番号と人名をフォルダ名にしたフォルダを人数分作ってもらい、その中にどんどん写真を入れてもらうことにした。

さすがにメールやメッセンジャーだとわからなくなったり、間違いやすそう。

このやり方を採用したのは正解だったと思う。写真と名前も一致させやすいし、人数の把握も楽だった。一人につき、写真が数枚あっても一覧できて選びやすい。初めてグーグルドライブを使うという二人にも、操作はそんなに難しくなかったようだ。

ただ、一人一人へのリクエストをまとめるには向いてない。服装、ポーズなどのリクエストにも答えるが、リクエストをそれぞれのフォルダにいちいち入れるのはめんどくさい。なので、それは別にリクエストだけを書き出してもらった。グループ番号と名前で写真と一致させる。これもなかなか良い方法だった。

写真集めは一番大変で、大事な作業

ゲスト80人とひとくちに言っても、親しい友人もいればなかなか会えない友人もいる。スマートフォンに全員の写真が入っているとは限らない。

ましてや、サプライズしようという目論見なので、なかなか写真を撮る口実も難しいかもしれない。

最近、若い世代の依頼者に多いのが、写真ありますと言って、送られてきたのがアプリ加工で元の顔がわからなくなったもの。これは似顔絵の資料としてはNG。可愛く撮れてはいるのだろうけど。

画質が悪い、ぴんぼけ、表情が不自然なものもNG。

その人らしい自然な表情で、顔が正面に近く、暗すぎず明るすぎない写真を、80人分集める。これは相当大変だ。

11月の1カ月を使って、とにかく写真を集めまくってもらった。新婦さんは、1カ月あれば大丈夫と言っていたが、ちょっと心配だった。

11月末、フォルダをチェックしたところ、新郎新婦ともに頑張って集めてくれていたが、まだまだ空のフォルダもあった。

この頃、もう一度依頼者と面会した。今度は新郎も来てくれて、二人と会うことができた。二人とも、とても感じのいいさわやかなカップルだ。

写真集めは、想像よりもはるかに大変だと言っていた。

その通りなのだ。ただ写真があればOKとは言えない。顔の輪郭、髪型、顔のおうとつがはっきり写っているもの。表情が明るく自然な笑顔のものが望ましい。そうなると、本当に難しいのだ。その大変さはわかるだけに、二人が頑張っているのもわかる。

結局、写真集めは年をまたいだ。依頼を受けてから式まで3カ月。そのうち、2カ月を写真集めに費やした。時間はかかったけど、頑張って良い写真を集めてくれたと思う。

そして、1月。いよいよ、似顔絵師の出番が来た。

Leave comments